目次
保育園のアレルギー食についてご説明
食物アレルギーとは
食物アレルギーとは、特定の食品によって引き起こされるアレルギー反応のことを指します。
アレルギー反応は、原因となる食物を口から体内に取り込む以外にも、食品が皮膚に付着したり、吸い込んだりして起こることもあります。また、原因となる食品には鶏卵や牛乳、小麦などをはじめ、数多くのものがあります。もっとも多いアレルギー症状は皮膚症状ですが、重症になると下痢や喘鳴(ぜいぜいすること)など全身に症状が現れることもあり、これをアナフィラキシーといいます。意識障害や血圧低下など重篤なアナフィラキシーショックを発症すると最悪死亡することもあります。
一言にアレルギーといっても引き起こす原因物質をアレルゲンといいますが、食物アレルギーの場合、食物に含まれるタンパク質の一部がアレルゲンに該当します。ヒトの身体には、もともと細菌やウイルスなど異物に対抗するための免疫機能が備わっています。しかし、この免疫機能のバランスが崩れるとアレルギーなどが発症しやすくなってしまいます。原因となる食物は以下のように多岐にわたります。
アレルギーの種類
鶏卵、牛乳、小麦、そば、かに、えび、落花生の7種類があります。
また、2025年からクルミも入りまして8種類が特定原材料となります。
その他に、アーモンド、イクラなど21種類ものが特定原材料に準ずるものとして
指定されているものがあります。
これらを含む食品をあらかじめ把握して一人ひとり取り除かねばなりません。
市販品のおやつなどにつきましてはメーカーから出る製品企画書を取り寄せてアレルゲンがその園児に対し含まれていないかを調べます。
アレルゲンテストの実施
その上で保育園に新しい園児が入園する場合、保護者の方にアレルゲンテストを受けていただくことを推進しております。
アレルゲンテストとは一言に行っても複数のやり方があります。
1.プリックテスト
プリック針と呼ばれる細い針で少量のアレルゲンを皮膚に入れ、15分後に現れた疱疹の大きさから、各アレルゲンに対するアレルギー反応の有無を調べます。
食物アレルギーなど、“即時型アレルギー”と呼ばれるタイプのさまざまなアレルギー疾患に用いられます。
2.パッチテスト
アレルゲンを背中や腕の外側に貼り付け、48時間後の皮膚の様子から、アレルゲンを特定する検査です。主に、アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)のアレルゲンの特定に用いられます
3.IgE抗体検査
IgE抗体とは、アレルゲンに反応して産生され、アレルギー反応を引き起こす抗体のことです。血液中のIgE抗体の発現量を調べ、そのIgE抗体がどのアレルゲンに対するものなのかを調べることによって、アレルゲンの種類を調べることができます。
ただし、この検査で検出されるIgE抗体の量が短期的な病勢の変化を反映しているわけではなく、長期的なコントロールの指標として用いられます。
アレルギーに対しての対応
通常の食事につきましては完全除去か部分除去かをアレルゲンテストの結果に基づき、安全面に考慮し、調理を行います。
また、保護者の方に対してはご家庭のお食事においては次のような指導を呼び掛けています。
食物アレルギーの心配があっても、自己判断で食べるものを除去しない。
必ず医療機関で必要な検査と診断を受け、医師の指導のもとで「必要最小限の原因食物の除去」を行う。
食べられる食品にも目を向けて、食品選択をできるだけ狭めないようにする。
食物アレルギーがあっても安心して食べられるよう、家族や周囲の人みんなに協力してもらう。
ご家庭でも慎重になりすぎると園児が食べられるものが少なくなってしまい、栄養にお偏りや好き嫌いがはっきりしてしまいます。ご家庭ではアレルギーに注意しつつも、さまざまお食事をたべさせることが非常に重要です。
まとめ
このように保育園の給食にはアレルギー対応が欠かせません。
また、安全な給食提供には毎食必ずアレルギーに注意していく必要があります。
今一度ご自分の保育園の食事提供を見直しし、アレルギーに関して対応が十分かどうかを再確認してみてはいかがでしょうか?